【保存版】エッフェル塔の予約方法
エッフェル塔に上るには何が必要?あなたに合ったチケットの種類と料金比較、予約方法をご紹介しますどうやって予約すればいい?エッフェル塔を観光するための最適な方法
パリを訪れる人ならだれもが一度は見たいと思うエッフェル塔(La Tour Eiffel)。パリのシンボルであり、ルーヴル美術館や凱旋門と並ぶパリ屈指の観光地です。パリの計画的な都市美を眺めることができる高さ320メートルの鉄の塔として毎日多くの観光客が訪れます。
遠くから眺めるエッフェル塔も美しいですが(個人的には一番好きです)、せっかくパリに行くならエッフェル塔に上って頂上からパリの街を見下ろしたいと思う方は多いと思います。ただ現在のエッフェル塔は最も来訪者数の多いパリ観光地の一つであり、実際に塔に上るためにはチケットの事前予約が必要になっています。
この記事ではエッフェル塔の歴史的魅力を振り返りつつ、自分に合ったチケットを手に入れるための予約の方法、エッフェル塔観光のコツや楽しみ方をご紹介します。
■ 公式予約サイト:エッフェル塔公式サイト
(1)登る前に知っておきたいエッフェル塔の物語
予約の話に入る前にエッフェル塔の歴史について簡単に触れたいと思います。現在はパリ観光のランドマーク的存在であるエッフェル塔ですが、建設当初は反対意見が多く、短期間で取り壊される予定のイベント向けの建築物でした。
嫌われ者から始まったパリのシンボル
フランス革命100周年を記念して、第4回パリ万博の1889年に完成しました。設計者はギュスターヴ・エッフェル。しかし、当時のパリは石造りの街。そこに突如として300メートルもの巨大な鉄の塔が現れることに、多くの芸術家や市民は反発しました。当時のパリにはまだ鉄の素材を使った建築は少なく、鉄と塔の組み合わせが奇抜な建築物だと思われたためです。エッフェル塔のデザインは19世紀当時のフランスの美学からすれば、明らかに理解できない異様な建築でした。そのため多くの知識人や芸術家、庶民から非難の声が出て、ギ・ド・モーパッサンやデュマ・フィス、グノーなどを中心に文化人による反対運動が起こりました。
解体の危機を救った「科学」の力
当初、エッフェル塔は万博終了後の20年後(1909年)に解体される契約でした。しかし、設計者エッフェルはこの塔を守るため、ここを単なる観光地ではなく「科学の実験室」として活用する道を探ります。気象観測や空気力学の実験、そして何より「無線通信のアンテナ」としての役割が、塔の運命を変えました。軍事無線において戦略的に重要な拠点となったことで、エッフェル塔は解体を免れ、今日までその姿を残すことになったのです。
光の都市を彩るランドマークへ
現在、エッフェル塔は日没後の毎時0分にキラキラと輝く「シャンパンフラッシュ」で私たちを魅了します。かつてガス灯で照らされていた塔は、今やLED電球を纏い、パリの夜を彩るランドマークとなりました。250万個のリベットで繋ぎ止められた1万8000個の鉄の部品。その一つ一つに、パリの歴史と技術者の執念が刻まれています。
(2)チケットの種類と選び方・料金比較
エッフェル塔の敷地内に入り、塔に登って展望台へアクセスするためには、必ずチケットが必要です。チケットの種類は複数あり、どれを選ぶかは「行き先(展望台)」と「移動手段」の組み合わせで決まります。自分の体力と目的に合わせて最適なチケットを予約しましょう。チケットを選ぶポイントは以下の2点です。
選ぶポイント1. 行き先は「2階」か「最上階」か
エッフェル塔には一般客が入れる展望台が3箇所あります(1階、2階、最上階)。各展望台の高さは下記のとおりです。
- 第1展望台(1er étage / 1階):地上57m
- 第2展望台(2ème étage / 2階):地上115m
- 最上階(Sommet / 3階):地上276m
パリ観光でエッフェル塔を訪れるほとんどの人が第2展望台か最上階を訪れているようです。全てのチケットには1階へのアクセス権が含まれていますので、第2展望台(2階)に行きたいのか最上階に行きたいのかを選びます。第2展望台と最上階の特徴は下記のとおりです。
- 【第2展望台(2nd floor / 2ème étage)】
高さ: 地上115m。実は「景色を見るなら2階がベスト」という意見も多いです。屋根や通りの細部まで肉眼で確認でき、パリの街の美しさを最も実感できる高さです。主要なランドマーク(凱旋門、ルーブル美術館、ノートルダム大聖堂など)を視認しやすく、建物のディテールやパリの美しい街路の構造がはっきりと見えます。最上階に比べて霧や大気中の霞の影響を受けにくく、鮮明で写真映えのするパノラマが得やすいです。レストラン(ジュール・ヴェルヌ)やショップ、広い展望スペースがあり、混雑時でも動きやすい設計です。メリットとしては最上階行きより少しだけ予約が取りやすいです。 - 【最上階(Summit / Sommet)】
高さ: 地上276m。パリ全体を俯瞰する圧倒的なパノラマが最大の魅力です。屋外エリアで風を感じながらパリの街並みを楽しむことができます。パリで最も高い展望ポイントであり、「てっぺんに立った」という最高の体験が得られます。天気が良ければ最大70km先まで見渡すことができ、パリの全景と、その先に広がるフランスの郊外や風景を一望できます。またガラスで覆われた屋内にはパリの景色を眺めながらシャンパン(ノンアルコールもあり)を楽しめるシャンパンバーや技師ギュスターヴ・エッフェルが使っていたアパルトマン(エッフェルの私室)が再現されており、建設当時の雰囲気が分かります。難点はエレベーターの乗り換えが必要で時間がかかること。そして何よりチケットが即完売することです。
選ぶポイント2. 移動手段は「エレベーター」か「階段」か
行き先(第2展望台か最上階か)が決まったら、次に選ぶのは移動手段です。移動手段にはエレベーターと階段の2種類があります。
- 【エレベーター(Lift)】
足元から展望台までエレベーターで直行できます。体力的には楽ですが、予約開始と同時に売り切れます。 - 【階段(Stairs)】
地上から2階展望台まで、自分の足で登ります(約700段、所要15〜20分)。メリットとしては予約が取りやすく、料金が安いこと(大人のエレベーター最上階行きが約30ユーロに対し、階段+最上階行きは約22ユーロ ※2025年時点)。ただし階段で行けるのは2階までです。第2展望台から最上階へ行く場合は、2階でエレベーターに乗り換えるチケットを購入します。
チケット料金・難易度比較表
行き先と移動手段によってチケットは下記の種類があり、それぞれ料金が異なっています。自分に合ったチケットを選んで予約しましょう。| チケット名 | 移動手段 | 料金目安 | 難易度 |
|---|---|---|---|
| 最上階エレベーター | 全行程EV | 約35ユーロ | ★★★★★ |
| 2階エレベーター | EVのみ | 約23ユーロ | ★★★★☆ |
| 最上階階段+EV | 階段(2階迄)+EV | 約25ユーロ | ★★★☆☆ |
| 2階階段 | 自力登頂 | 約13ユーロ | ★★☆☆☆ |
(3)予約のタイミングは「60日前」と「14日前」
エッフェル塔の公式サイトでの予約開始日は、チケットの種類によって異なります。このスケジュールを把握しているかどうかが、勝敗を分けます。
1. エレベーター券:訪問日の「60日前」
最も人気のある「エレベーターで行くチケット(最上階・2階ともに)」は、訪問日の60日前の現地時間午前0時に一斉に販売開始されます。
日本時間での狙い目:
夏時間(3月末〜10月末): 日本時間の 朝 7:00
冬時間(10月末〜3月末): 日本時間の 朝 8:00
※最新の販売ルールは変更される場合があるため、数日前に一度サイトを見て確認することをお勧めします。
2. 階段券:訪問日の「14日前」
もし60日前の予約ができなくても、諦めてはいけません。「階段で登るチケット」は、訪問日の14日前にリリースされます。多くの観光客は「階段」を敬遠するため、エレベーター券に比べて競争率は低めです。また、階段といっても整備されており、風を感じながら鉄骨の構造美を間近に見られるため、パリラマ編集部としては「階段で上ることこそ本当のエッフェル塔体験」としておすすめしています。
(4)公式サイトでの予約手順(完全ガイド)
ここでは、スマホやPCから公式サイト(英語)で予約する際の流れを解説します。
- 公式サイトへアクセス:トップページの「BUY A TICKET」をクリック。
- 日付と人数の選択:カレンダーから希望日を選び人数入力。
- チケットタイプの選択:Summit, 2nd floor, Stairs等から選びます。売り切れは「Unavailable」と表示。
- 時間の選択:入場時間を選びます。夕暮れ時は特に人気です。
- 決済・Eチケット受領:アカウント登録し決済。QRコードPDFが届くので当日スマホで提示。
(5)もし予約が取れなかったら?
「60日前も14日前もダメだった…」そんな場合でも、まだ手はあります。
1. こまめにサイトを「リロード」する(復活枠狙い)
キャンセルやシステムの調整で、ふっと空き枠(緑色)が復活することがあります。特に訪問日の1週間前〜前日は動きがあります。諦めずに1日数回チェックしてみてください。
2. 当日券に並ぶ(最終手段)
オンライン完売でも、当日券はあります。ただしエレベーター当日券は2〜3時間待ち。おすすめは「当日券の列で『階段チケット』を買うこと」です。進みが早く、30分〜1時間待ち程度で入れることがあります。
3. レストランを予約する(魅力と詳細)
レストランを予約すれば、専用の入り口からエレベーターで上がることができます。
- 【1階】Madame Brasserie(マダム・ブラッスリー):全面ガラス張りの現代的ブラッスリー。ランチ(約60?〜)ディナー(約100?〜)。伝統フレンチをモダンにアレンジ。
- 【2階】Le Jules Verne(ジュール・ヴェルヌ):ミシュラン星付き。地上125mの非日常美食。ランチ約160?〜、ディナー約255?〜。
| 項目 | 【1階】Madame Brasserie(マダム・ブラッスリー) | 【2階】Le Jules Verne(ジュール・ヴェルヌ) |
|---|---|---|
| コンセプト | 現代的で洗練されたカジュアル・ブラッスリー | ミシュラン星獲得のガストロノミー(高級美食)レストラン |
| 場所 | 第1展望台(地上57m)。ガラス張りのモダンな空間。 | 第2展望台(地上125m)。最高のパノラマビュー。 |
| 料理 | 伝統的なフランスのブラッスリー料理を現代的にアレンジ。地元産・季節の食材を重視。 | 現代フランス料理の真髄を追求したコース料理。芸術的なプレゼンテーション。 |
| 料金目安 | 比較的リーズナブル。ランチ約60?〜、ディナー約100?〜。 | 非常に高価。ランチ約160?〜、ディナー約250?〜。 |
| 特長 | 足元がガラス張りのエリアに最も近く、リラックスした雰囲気。 | 専用のプライベートエレベーターでアクセス。特別な記念日に最適。 |
| ドレスコード | 特になし(スマートカジュアル推奨) | あり(スマートカジュアル以上が必須) |
4. 代理店ツアーを利用する
ネットの旅行代理店(OTA)などで「ガイド付きツアー」を探すとチケットが残っている場合があります。公式サイトでチケットが完売している場合でも、ツアーやセットプランとして予約枠を確保できる可能性がありますが、定価よりも割高になることが多いです。以下にオンラインで購入可能な主な旅行代理店をリストアップしています。
| 代理店・サイト名 | 特徴 | 提供形態の例 |
|---|---|---|
| Klook(クルック) | エッフェル塔の正規チケット販売代理店の一つ。日本語での予約やカスタマーサポートに対応。 | チケット単体(1階、2階、最上階)、スキップ・ザ・ライン(優先入場)チケット |
| KKday(ケーケーデイ) | アジア圏に強いOTA。日本語での予約が可能で、エッフェル塔のチケットや関連ツアーを扱っています。 | チケット単体、周辺のアクティビティとのセットプラン |
| VELTRA(ベルトラ) | 日本の現地オプショナルツアー専門サイト。エッフェル塔のガイド付きツアーが豊富です。 | ガイド付きツアー(英語または日本語オーディオ)、最上階登頂ツアー、他観光地との周遊ツアー |
| Ticmate (ティックメイト) | ヨーロッパのチケット販売を専門とするサイト。日本語での予約に対応しています。 | 優先入場チケット(スキップ・ザ・ライン) |
(6)当日の流れと注意点
1. セキュリティチェックは厳重に
地上広場に入る前に、空港並みの検査があります。ハサミ、ナイフ、ガラス瓶(ワインなど)は持ち込み禁止です。没収されるので、事前のお土産購入に注意しましょう。
2. トイレ事情
トイレは地上と各展望台にありますが、混雑します。入場前、または比較的空いているレストラン階で済ませるのが無難です。
3. スリに注意
チケット売り場の列や混雑したエレベーター内はスリの稼ぎ場です。バッグは必ず体の前で持ち、貴重品から目を離さないでください。
(7)エッフェル塔を最高に楽しむ!各階の魅力とワンポイント・チップス
チケットを手にしたら、あとはパリのシンボルを存分に味わうだけです。エッフェル塔の各階には異なる魅力と体験があり、ただ景色を見るだけではもったいない!各階の楽しみ方と、観光の質を高めるためのチップスをご紹介します。
1. 1階 (First Floor / 57m)
- 魅力:展望台の中で最も新しいエリアです。足元がガラス張りになっている「シースルーフロア」があり、スリルを味わえます。
- 楽しみ方:
- ガラスの床体験:高さ57mの床に立って真下を見下ろす体験は、写真映え抜群。
- 散策:塔の歴史や建設に関する展示パネルが豊富にあります。時間があるならここから見学を始めましょう。
- チップス:1階にはお土産ショップやカジュアルなカフェもあります。2階や最上階より空いていることが多いため、休憩や買い物に利用するのがおすすめです。
2. 2階 (Second Floor / 115m)
- 魅力:エッフェル塔の展望台の中で、最も「パリらしい」景色を楽しめると言われる階です。街の建物や道路、セーヌ川の曲線などが視認しやすい絶妙な高さです。
- 楽しみ方:
- 写真撮影:パリ市内のランドマーク(凱旋門、サクレ・クール寺院など)を特定しやすい高さです。
- 展望ギャラリー:屋外と屋内の両方の展望エリアがあり、天候を気にせず楽しめます。
- チップス:ここには高級レストラン「ジュール・ヴェルヌ」があります。夕暮れ時や夜景の時間帯は非常に混雑しますが、景色が最高の時間帯です。
3. 最上階 (Summit / 276m)
- 魅力:パリ全体を俯瞰する、圧倒的なパノラマビュー。遮るものが何もない、天空の体験です。
- 楽しみ方:
- エッフェルのプライベート空間:ギュスターヴ・エッフェルが使っていたとされるオフィス(蝋人形あり)が再現されており、塔の歴史に思いを馳せることができます。
- シャンパンバー:屋外テラスにはシャンパンバーがあります。最高の景色を眺めながらシャンパンで乾杯できます。
- チップス:最上階へは2階からのエレベーター(EV)の乗り換えが必要です。この乗り換えEVが最も混雑し、待ち時間が発生しやすいので、時間に余裕を持ちましょう。風が強く、気温も低くなりがちなので、上着を持っていくことを強くおすすめします。
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